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保肥元

 

緩衝能力を付加してくれる粉末顆粒 保肥元! 特に人工繊維で栽培する際、植物の生育をサポートしてくれます!

 

■用途

保肥力増加、老廃物吸着、防カビ、PHコントロール等

■使用方法

「活着君」などの人工繊維に薄く振りかけるだけ。振りかけた後に、霧吹きを強く当て、繊維になじませて下さい。

■原材料

CEC・AECを高める各種粘土鉱物、フミン酸、フルボ酸、鉄など

※NPKの肥料分は含まれておりません。

■内容量

75g

 

————なぜ保肥元を発売するに至ったか? ご興味のある方だけご覧下さい————–

■緩衝能力とは

植物を栽培する際、通常「土」を使用します。土というのは、保水・通気性を確保するだけでなく、肥料分や老廃物を繋ぎとめたり、PHをコントロールするなどの化学性も有しています。そのような力を緩衝能力といい、保肥力や地力などと言われることもあります。※厳密にいうと、科学的な言葉ではありません。

土が持つ緩衝能力があるからこそ、肥料をある程度まとめて与えても根焼けせず、植物がら出る老廃物なども吸着してくれることで、根が快適な状態を保つことができています。

一方、土を使わない栽培として水耕栽培が有名ですが、土がないことから、養分コントロールを常に行わないと植物の調子がおかしくなってしまうという問題があります。その為、常に養分の値をモニタリングし、適宜不足している栄養素を与え続け、老廃物が溜まってくると、水を交換するなどの必要性があります。

つまり、土があると、電気的に吸着している栄養分を植物のペースで吸収することが可能であったり、PHの急変もおき辛く、楽(土が管理者に代わって自動調節してくれる)に栽培ができるというわけです。

■アクアリウムの世界では

30年ほど前のアクアリウムの世界では、水草の栽培には大磯、パールサンドのような砂利系のものしか無く、先ほどから述べている緩衝能力がない物が殆どでした。緩衝能力がないと、PH、EC値などをまめにモニタリングしておかないと、水草をうまく育てることが難しく、特に栄養分を与える際の添加量がシビアで、入れ過ぎるとコケまみれになったり、不足するとすぐに葉が白っぽくなったりとまめな作業が必要でした。勿論、それをコントロールできてこその達成感はあったと思います。

それが、1990年代にプラントサンドというソイル系の水草用土が発売されたことで、水草の栽培は一気に楽になりました。ソイルはまさに緩衝能力の塊で、栄養分を与え過ぎてもソイルが吸着してくれ、さらに老廃物の吸着、PHの自動コントロールなど、かつてはモニタリングして適宜対処しなくてはならなかった作業の煩わしさが無くなり、誰でも簡単に水草が育てられるようになったのです。

■パルダリウムの世界では

一方、陸上で植物を楽しむパルダリウムでは、使用する土として2009年に弊社が造形君という商品を発売しました。この造形君は、非常に高い緩衝能力を持ちながら、自由に形を作れるという造形材です。この商品が世に知れるようになってきたのはここ最近の話ですが、その緩衝能力の高さからも、栽培が楽になっていることを御承知おき頂けたら幸いです。

造形君などの造形材によって、パルダリウムレイアウトの自由度は大きくなりましたが、流水中においては使用できないという欠点がありました。そこで登場させたのが「植えれる君」という給水フォームです。また、エピウェブやハイグロロンといった人工繊維も流水中で使用できることから、表現の幅が広がっています。ただ、これらのフォームや人工繊維には欠点もあります。それは先ほどから述べている緩衝能力の低さです。その為、土同様の生長を感じることができないだけでなく、種類によっては栽培が困難な場合もあります。勿論、注意深く水をコントロールできる人にとっては問題がない話ですが、土で栽培する感覚からすると、劣ってしまうことは否めません。

弊社では、「植えれる君」の次の商品として「活着君」という商品の開発を続けてきました。この活着君は、人工繊維でできた生地で、保水性に優れ、繊維のナノ構造が絡まりつきと給水性を高め、植物栽培に大変使いやすいものとなっています。しかし、人工繊維の宿命である緩衝能力はほとんどありません。そこで、人工繊維にも緩衝能力が付加できれば、流水中でも楽に栽培できる商品になるであろうということで、「保肥元」を誕生させました。特に、活着君のように、細かい微細構造を持つ繊維が、微粉末や顆粒を絡みつかせることから、繊維にある程度とどまってくれます。勿論、時間の経過とともに流れ出てしまう場合もありますが、うまく活用すると、植物の生長が見違えるほど違ってくることになると思います。ウィローモスやアヌビアスなどのもともと根が無かったり、太い根のものには、大きな差が出ませんが、キューバパールグラス、チドメグサなどの細かい根を有するものには、非常に効果的です。